感想:ネコかん


milwilさん作のウディタ製横スクロールACT。
甘いものが大好きな人々の世界から甘さを奪った激辛大王に立ち向かい、失われたシュガースフィアを取り戻すべくネコかんが大活躍するというメルヘンチックなゲーム。主人公のネコかんや敵キャラを始め、かわいらしい自作グラフィックが親しみやすいほのぼの感を出している一方で、アクションの内容はいたって本格的だ。任天堂が出しているようなこの手のACTが好きな人にはたまらないだろう。これだけのクオリティと遊びやすさを兼ね備えているなら、携帯アプリ等で市販されていてもおかしくない。
基本操作は移動、ジャンプ、攻撃のオーソドックスな3種類。しかし、細かい点を見ると移動ではダッシュ、ジャンプでは浮遊、攻撃ではエコというシステムがある。重要なのは後ろの2つで、ジャンプの後にエンターキーをもう一度押すことによる一定時間の浮遊は本作を攻略する上で欠かせないテクニックだし、特定の敵を倒すことで得られる様々なエコは攻撃のバリエーションを増やしてステージの特性に合ったプレイを楽しませてくれる。例えば、"エレキ"というエコなら全方位攻撃が可能だし、"ルナ"というエコなら遠距離攻撃が可能だ。エコは一定ダメージを受けるとデフォルトの"ネコパンチ"に戻ってしまうが、デフォルトの攻撃方法でもクリアする上では問題ない(シュガースフィアをすべて集めるにはある種のエコが必要なようだが)。
セーブはオートセーブなので好きなときに中断して構わないが、その場合は残機とエコがデフォルトになるので注意。とはいえ、アクション性が高くなる後半ステージにしてもそれほど難しくないし、意外と長い本作をプレイする上でそんなことを気にしていては社会人プレイヤーはやってられない。ちなみに、作者提示のプレイ時間はなんと6〜7時間! ファミコン時代のようなセーブなしACTでこの長さだったら殺人的なボリュームだ。残機2、エコは"ネコパンチ"でボス戦に挑むくらいの潔さは必要とされるだろう。
最終ステージの激辛大王を倒せばゲームは一応クリアとなるが、やはり達成度100%を目指したシュガースフィアの収集に手を出す人も多いのではないだろうか。逆に、激辛大王を倒さずにテキトーに途中までプレイして満足する人もいるかもしれない。ポップでライトなACTは今も昔も様々なレンジの人々を引き付けてきたし、それゆえに楽しみ方も人それぞれ。私個人は大して興味のないジャンルだが、このゲームの包容力には感心させられる。